山家漬は、錦糸瓜、越瓜、茄子、胡瓜、蕨の五種類の野菜や山菜を、地元の銘酒・八海山の酒粕に漬け込んだ、風味豊かな粕漬でございます。
 素材は、すべて厳選された最高のものだけを使用し、一度、塩漬けにしたものを、昔ながらの木樽に漬け込み、三~四回、丁寧に漬け替えをして、酒粕の中で塩をぬいて行きます。

 二百年以上前に建てられた蔵で、一年半ほど、熟成、発酵させ、ようやく味が整い、出来上がります。
 八海山の酒粕、厳選された野菜、雪国の山菜、木樽、古い蔵、そして、新潟の風土。これらすべてが山家漬の味に欠かせない要素となっています。

 大正時代、当家二十一代・今成隼一郎が、越後湯沢の大源田に広大な農場を開墾し、今成農場として野菜作りを始めました。
 そして、この今成農場で収穫された越後の野菜を、全国に広めようと、当家に伝わる製法で粕漬にし、商品化したのが、鴻池屋における本格的な「漬物づくり」の始まりとなります。

 山家漬の包装紙の左隅に書かれた、会津八一の「今成農場製」の遺墨は、当時の名残です。
 当家二十二代・今成拓三の時代には、銀座や新潟市に店を構え、高島屋や松坂屋で販売するまでに成長しました。

 太平洋戦争の影響もあり、一時、休業を余儀なくされましたが、鴻池屋の伝統の粕漬を惜しむお客様からの多くのご支援もあり、戦後になって、細々と「漬物づくり」を再開し、伝統をまもりながら、現在に至っております。

今成漬物店

住所   新潟県南魚沼市六日町1848
電話   025-772-2015
FAX   025-772-2761
営業時間 10:00 – 18:00